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弓道部に入ってきた天使にフられた話

画像なし


1: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)00:59:51 ID:HhdmMUDiv
よかったら聞いてください



聞きますよ

8: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)01:24:58 ID:sEQVlYn15
自分はどこにでもある普通の家庭の、どこにでもいる普通の子どもだった。特に勉強ができたりスポーツができたり人気者だったりとかではなく、元気だけが取り柄で、とにかくなんら不自由ない幼少時代を過ごした。友達も沢山いて、毎日遊んでた記憶しかない。

9: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)01:31:23 ID:sEQVlYn15
中学生になると、環境が変わったせいか激しく人見知りするようになった。性格は暗くなり、友達も殆どできずいつもひとりでいた。
いじめに遭うことはなかったが、逆に誰からも干渉されなくなるのはそれはそれで辛かった。本だけが友達だった。

10: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)01:32:56 ID:PpTq1fjto
>>9
俺みたい

11: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)01:41:02 ID:sEQVlYn15
そんな環境というか自分を変えたくて、高校は地元から遠い所にした。知り合いが誰もいない高校ならやり直せる、そう思った。

学力的には余裕だったから(友達がいないから勉強するくらいしかやることがなかった)、第一希望だった高校への進学はあっさり決まった。
高校デビューし、リア充になれるんだと舞い上がっていた。

12: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)01:56:33 ID:sEQVlYn15
がしかし。

現実は違った。高校は高校付近の地元民が殆どで、入学当初から既にグループが出来上がっていた。
3年間ぼっちだった奴がいきなり輪に加わるコミュ力など持っているはずもない。

またぼっち生活を送る事になった。

13: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)02:00:34 ID:KwAZ2ccOS
fmfm

14: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)02:03:29 ID:sEQVlYn15
自分が通っていた高校は少し特殊で、7クラス中6クラスが男子クラス、1クラスだけ女子クラスだった。

まあだからと言って状況が変わるわけではなかったが、男子校だったら天使に会うこともなく灰色の高校生活を送る所だった。

15: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)02:12:17 ID:sEQVlYn15
入学から一ヶ月が過ぎ、僕は弓道部に入る事になった。
クラスには相変わらず馴染めなかったが、弓道部に入ることで僕の高校生活、と言うより人生が大きく変わった。

弓道部に決めたのは、とある出来事がきっかけだった。

16: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)02:29:55 ID:sEQVlYn15
高校デビューに失敗した僕は開きなおっていた。人との関わりを避けるようになり、部活も興味がなかった。

放課後は毎日高校の図書室で本を読んでいたけど、その日は読んだ本がスパイものだったせいか、特殊任務の為校内に潜入したスパイ、という妄想をしながら高校散策を始めた。

僕は中ニの時に発症した病を、高校生になっても患ったままだった。
ぼっちだった原因は環境の変化についていけなかったこともあるが、病のせいであったのも否めない。

17: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)02:50:33 ID:sEQVlYn15
存在が空気みたいなもんだからステルス行動は得意だ、などとひとりではしゃぎながら屋上に行ったり別棟に行ったりした。
もちろん誰にも見つかることは無かった。影が薄いからだろう。

気が付いたら夜になっていた。
下校時間はとっくに過ぎていて、教員に見つかったらヤバイと思い、裏門から帰ろうと思ったが、裏門に通じる道には弓道場があった。
明かりが点いていたが、教員に見つかるよりはいいだろうと思い、矢取り道を通ろうとした。
その時、安土からひょこっと顔を出した女子部員と目があった。

とても焦った。見つかった、ということにではなく、その人があまりに綺麗だったから。

18: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)14:00:50 ID:sEQVlYn15
誰もみてないがまぁいいや。

突然の美少女との遭遇に僕は驚き「オゥフ」などと気味の悪い声をあげてしまった。
クスクス笑ながら近づいてきた彼女は童顔で背が低く、一年生かと思ったが、
「君、こんな時間にどうしたの?一年生でしょ」
と声を掛けられ、先輩なのだとわかった。

19: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)14:13:08 ID:sEQVlYn15
「いいや、そのちょ、ちょっと探険を…」
噛み噛みで何を言ってるのか自分でもわからなかったが、どうやら伝わったらしくぷっ、と吹き出した。
「君、変わってるねw」
はぁ、そうですね…なんて適当に相槌を打ち、そそくさと帰ろうとしたが、
「探険って、部活じゃないでしょ?まだ部活決めてないの?」
と言われた。事情を説明するのは面倒だし、「はい、まだどこにも」と素直に答えた。
「ならちょっと見て行きなよ、面白いよ弓道」
さぁさぁ、と道場に引っ張られ、僕は弓道部の見学を強いられた。
綺麗な人との出会いに嬉しくもあったが、人を避けている事もありひとり悶々としながら道場に足を入れた。

21: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)16:56:46 ID:2YpL8aX8B
すみません、>>1です。
レス書いてる途中に自宅に神輿が突っ込んできちゃって、業者を呼んだりとその対応に追われてました。

つづき

下校時間がとうに過ぎているので部室は薄暗かった。
先輩が電気をつける。静かで空気もひんやりとしていて不思議な感覚だった。
女の子と縁がなかった僕がこんな綺麗な人と二人きりの空間にいるなんて信じられなかった。

「お待たせ」
弓道着に着替えてきた先輩はこの世のものとしか思えないほど綺麗だった。

22: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)17:03:00 ID:2YpL8aX8B
「い、いえ待ってないです」
先輩が笑いながらドアを開けると、外に繋がっていた。
だいたいテニスコートの片面分くらいの広さのスペースになっていて、ゴルフ練習場のように網で囲まれていた。
十数メートル奥には的があって、そこだけ木で出来た小さな屋根がついていた。
先輩がスイッチを入れると、電灯がついて的がはっきりと見えるようになった。

「あれを狙って撃つのよ。危ないから離れていてね」
「は、はい」

先輩に言われた通り一歩下がる。
顔から笑みが消え、凛々しい表情になった先輩。

本当に天使みたいだ。

24: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)17:15:57 ID:2YpL8aX8B
僕は耐えられなくなって、ズボンのファスナーをそっと下ろした。
先輩は的に集中していてこちらに気づいていない。
それに、暗くてよく見えないはずだ。

タンッ!

先輩が放った矢が的を貫いた。
かっこいい。

先輩が近づいてきた。
「どう?おもしろそうでしょ?」
「は、はい」
「やってみる?」
「いいんですか?」
「うん。ただし、入部してからね」

先輩はくすりと笑った。
「まずは素引きから練習しないと危険だからね」
「素引きって何ですか?」
「基本練習だから教えてあげたいんだけど、その格好じゃ…キャー!」

うかつだった。
ファスナーを下ろしたままだったから
シャウエッセンが見られてしまった。

26: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)17:19:37 ID:2YpL8aX8B
「なんでそんなもの出してるの?」
先輩は顔を真っ赤にして後ろにさがった。
恥ずかしそうな顔も天使のようにかわいい。

「ち、ちがうんです、これはあの、えと」
うまく言い訳が思いつかない。
「最低!先生を呼ぶから!」
「やめてください!ちがうんですっ」
僕は必死に謝ろうとしたが、聞き入れてくれない。

29: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)17:24:53 ID:QC834j0ad
平日の昼間に見越し突っ込んでくるとか何事だ?

30: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:05:07 ID:2YpL8aX8B
すまん戻ってきた。

>>29
来月の祭りの練習中だったそうだ。
神輿を担いでたやつらが10人くらい居間でくつろいでで俺の居場所がねー

つづき

先生を呼ばれたら身の破滅である。
一年で中退するはめになりたくない。
僕は先輩にすがりついて必死に言い訳した。

どうしても尿意が我慢できなかったので、弓道場の隅にしてしまおうと思っていたと。
トイレの場所も聞けないほどギリギリでごめんなさいと。
そしてアリバイ工作にリアリティを求めるためにその場で失禁した。

先輩はすごく困った顔をしたが、一緒に掃除してくれた。
本当にこの人は天使なのではないかと僕は思った。

31: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:08:36 ID:2YpL8aX8B
床の掃除を終えてから僕は入部したいと申し出た。
「君、あんな姿を見られたのに恥ずかしくないの?タフなんだね」
先輩は笑いながらそれを快諾してくれた。
僕だって失禁を見られ恥ずかしくないわけじゃない。
マゾじゃないし二度と顔をあわせられないほど恥ずかしかったし、ポロリを先生に言いつけられるリスクも不安だった。
だけどそれらのリスクを踏まえた上でも先輩と一緒にいたかった。
先輩の横顔を見るだけで胸が高鳴った。

これが初恋なんだ。
小中学校にも好きな子はいたけど、先輩と出会い本当の恋というものを知った気がした。

33: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:13:27 ID:2YpL8aX8B
弓道部に入ってからは毎日練習に励んだ。
と言いたいところだが、僕には才能がなかったらしく、結局弓道は素引きしかやらせてもらえないまま終わった。
自然に僕は掃除係のポジションに収まった。
先輩とは会話らしい会話もあまりしないまま夏になった。

ある日、いつものように部室の戸締まりと掃除を任されていた僕は
部室でとんでもないものを見つけた。
それは、先輩の下着だった。

34: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:19:29 ID:2YpL8aX8B
水泳のバッグに入っていたそれをポケットに突っ込み、浮かれ気分で掃除を続けた。
さて戸締まりをしようと思ったその時、部室のドアが開いて先輩が入ってきた。

「あ、おつかれさまです」
「うん、もう閉めちゃうとこ?」
「そ、そうですけど」
「忘れ物したからちょっと待っててくれる?」

ヤバイ
忘れ物とはあの水泳バッグに違いない。
部室にいたのは僕だけだし、ばれるのは時間の問題。
どうしよう。

35: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:22:10 ID:2YpL8aX8B
先輩は水泳バッグを手に取った。
中身を確認することなく小走りでこちらに向かってきた。
「お待たせっ、閉めていいよ」

先輩と二人きりの部室。
あの日と同じ、二人きりの空間。
数ヶ月間ためこんだ想いがこみ上げて来て僕は泣いてしまった。

36: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:23:57 ID:2YpL8aX8B
「ど、どうしたの急に」
「せっ、先ぱぁい。ぼく…先輩のことが…」
「え…?」
女の子の前で泣いてしまうとは情けない。
だけど涙はとまらなかった。

先輩は内側から部室の鍵をかけて僕に向き直った。
「いいよ、最後まで聞いてあげるから、言ってごらん」

38: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:29:09 ID:2YpL8aX8B
天使の笑顔は僕の涙腺を大崩壊させた。
「せんぱあい。ぼく、ぜんばいのごどがずきなんでずう」
先輩は笑顔でうなずいていた。

「話はそれで終わり?」
「は、はい」
「そっかあ…」
先輩は何度かうなずいてから言った。
「ごめんね…私は君の思ってるような女じゃないの。
子供みたいにわがままなこともあるし、ルーズでだらしないとこもたくさんあるのよ」
「そ、そんなごとないでずう」
「君は本当の私を知ったら幻滅するから、やめておいたほうがいいと思うの」
「ぜ、ぜぜったいそんなことはないです!先輩は天使です!」
「ほんとに?」
「本当です!」
「君は私の言うことなら何でも聞いてくれる?」

39: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:36:43 ID:2YpL8aX8B
神輿の担ぎ手連中が後ろから書き込み見て爆笑しながら冷やかしてくるんだけど
冷蔵庫勝手に開けて飲み物飲むし!
早く帰ってよこいつら


つづき

「何でも聞きます」
「じゃあひとつお願い」
彼女の要求は、僕に丸坊主になってほしいという。
初めて会った時から僕には坊主が似合うと思っていたらしく、ずっとやってみたかったそうだ。
「わかりました。おやすいごようです」
こうして夜の部室で二人きりの断髪式が行われた。

40: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:41:28 ID:2YpL8aX8B
先輩が野球部から借りて来たバリカンで僕の頭を刈る。
ところが途中で電池がなくなってしまい、頭のてっぺんだけが坊主という悲惨なデザインになってしまった。
先輩はそれを見て吹き出した。
「ごめんね、でも似合うと思うの」
鏡を見ても似合ってるとは思えない。
後頭部を触っても下の方にしか毛がない。
鏡を見て吹き出す。
先輩が後ろで笑いをこらえているのが妙にツボに入ってしまい
僕は爆笑してしまった。

爆笑した直後、泣いた。本気で泣いた。
先輩が慰めてくれたけど、お世辞にもかっこよくないし
新しい妖怪みたいで、惨めだった。
僕が号泣したら先輩は胸で抱え込むように僕を抱いて慰めてくれた。

41: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:43:36 ID:2YpL8aX8B
「泣かないで」
「…ヴぁあい」
「男の子だから、ね」
「…うっ、は、はい」
「そう、いいコね」
先輩の笑顔を見たらドキッとした。
今から思うとあんな頭にされてふざけるなって感じだけど、当時は本当にすべて許してしまう笑顔だった。
僕は涙を拭くためにハンカチを取り出した。



つもりが、さっきポケットに入れた先輩のパンツだった。

43: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)18:48:05 ID:2YpL8aX8B
先輩は激おこでした。
先生に言う、警察に言う、と大騒ぎだった。
僕もドーナツみたいな河童みたいな髪型にされてたので逆ギレした。
先輩のパンツをかぶって、怒った。
「ひどい髪型にされたから明日からこのパンツをかぶって登校する」
「ふざけるな変態退学にしてやる」
「変態じゃない好きなだけです」

話し合った結果、僕は眉毛も全剃りするという条件で和解しました。
でも翌日の学校での皆の冷めた目が原因で不登校になりました。

去年の話です

7: 名無しさん@おーぷん 2014/06/23(月)01:06:00 ID:N1m9O7sVb
若い内の失恋なんてすぐに笑い話になるさね

1001:以下、名無しにかわりましてたけのこ速報がお送りします

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元スレhttp://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1403452791/
posted by たけのこ at 20:04Comment(9)恋愛

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この記事へのコメント

  • たけのこ大好き名無しさん 2014年06月24日 20:32

    感動しました。マジで泣けますわ
  • たけのこ大好き名無しさん 2014年06月24日 21:02

    きもいなー
  • たけのこ大好き名無しさん 2014年06月24日 21:05

    こいつ鬼才だな。小説家デビューすればいいのに
  • たけのこ大好き名無しさん 2014年06月24日 21:17

    文才ありすぎ
  • たけのこ大好き名無しさん 2014年06月25日 04:08

    DTの妄想やん・・・そんな天使は三次元に存在しない。
  • たけのこ大好き名無しさん 2014年06月25日 23:46

    「変態じゃない好きなだけです」
    名言だわwww
  • たけのこ大好き名無しさん 2014年07月22日 23:50

    神輿が家に突っ込むってwww
  • たけのこ大好き名無しさん 2014年08月19日 01:14

    作り話だとしてもめっちゃ面白かったですww
  • たけのこ大好き名無しさん 2016年08月10日 14:38

    映画化決定